話数単位で選ぶ、2022年TVアニメ10選

 

 

薔薇王の葬列 第22話『Use your head more, damn brat. Don't die even if you are weak.』

脚本:内田裕基 絵コンテ・演出:羽迫 凱 総作画監督:橋詰 力、前田ゆり子、小森 篤 作画監督:彭 佩琦、小川浩司中山由美、都築裕佳子、小松香苗、スタジオギガ

バッキンガムが最期に見たリチャードの美麗な顔と鮮やかな青空が鮮明に焼き付けられました。

バッキンガムは本作2クール目のキーマン的キャラでありながらイマイチよく分からない人物でした。そんな彼の心情を知ったことで、ようやく彼について少しわかった気がしましたし、リチャードの顔が一層美しく映りました。

また、本作は基本ずっと空が曇っているからこそ、バッキンガムの心境を反映した青空にはハッとさせられます。

本作は正直全体的にリソース不足が目立ち、原作の強さに助けられているアニメでした。一方で、原作の強さ・良さをしっかりと画面に抽出できていたアニメでもあったと思います。観ていて非常に心を締め付けられるような感覚を覚えつつも、観続けてしまう魅力があるアニメでした。

 

Extreme Hearts 第9話『SnowWolf』

絵コンテ:細田雅弘、吉田徹 演出:細田雅弘、いたがきしん  総作画監督:新垣一成 作画監督:吉田智裕、西田美弥子、宮地聡子、久松沙紀、アルベルト・キエ、石井ゆみこ、ENGI プロップ作監:岩畑剛一 アクション作監:吉田徹、板垣伸

たった1話でミシェルを描ききったストーリー構成と、そのストーリーを盛り上げた画面工夫に素人目線で凄い!!となりました。

今話数初登場となるミシェルたち新キャラのバックボーンや所長(主人公)との触れ合い描写、本作にとって大事な音楽もちゃんと描きつつ、スポーツ試合をしっかりと描く。非常に濃密なのに詰め込みすぎさを感じないストーリー構成には匠の技を感じましたし、手のひらで転がされるように夢中になりました。

また、映像面についても同様で、こでらアングルからの画面を回転させることで躍動感をだしてバレーのトス→スパイクを描くなど、消費リソースを少なくしながらも映像を成り立たせる創意工夫が随所に施されていました。止め絵のシーンでも素人ながら上手い!となるような画ばかりで、見所満載です。

本作はアイドル(音楽)にスポーツ(野球サッカーバスケバレーetc)とただでさえやることが多いですし、キャラクターの数も多いです。そんな中で1クール通して所長のストーリーを描き、ライブ描写もスポーツ描写も訴求力あるものに仕上げていたのは見事と言わざるをえません。毎週熱くさせられました!!ちょいちょい感じられるトンチキさも味が出ていて良かったです。

 

BIRDIE WING -Golf Girls' Story- 第8話『ファイナル・バレット』

脚本:黒田洋介 総作画監督:山﨑正和 作画監督:尾崎正幸、米山浩平、上野泰寛 アクション作監:菊池晃 プロップ作監:平岡雅樹 レイアウト監修:益田賢治

片翼でもがくローズと両翼で悠々と飛び立つイヴ、残酷なほど対称的な2人を描く第一章を締めるに見事なエピソードでした。

この8話を機にEDを感傷的に捉えてしまうようになりました。鷹が翼を広げて飛び立つ映像も、ヨダカの歌詞も、ローズ視点でつい追ってしまいます。ED明けにローズが空を見上げていたのもまた感傷的になりますね。

ケレン味ある演出と奇想天外な骨太ストーリーで毎週魅了してくれる本作。稲垣監督最新作のオリアニということで放送前から楽しみにしていたアニメでしたが、予想を遥かに超えた飛距離で面白さを放っていく様に毎週興奮しっぱなしでした!

春からの2クール目楽しみですね!先行上映会で稲垣監督との距離が近くておっ!となりました。

 

怪人開発部の黒井津さん 第12話『悪魔を喰らう悪魔は天の使徒となり得るか、はたまた醜い共喰いに過ぎぬ蛮行か、ただ地獄より救われし生贄は黒き翼を神と崇める』

脚本:高山カツヒコ 絵コンテ:斎藤 久 演出:岩垂瑞樹 総作画監督:森前和也、萩尾圭太、輿石 暁、ひのたかふみ 作画監督:藤田正幸、宮田奈保美、飯飼一幸、熊谷小夏、高橋万帆、監物ケビン雄太、柄谷綾子、渡辺浩二、森 悦史、花輪美幸、沼田 広、服部憲知、岩田竜治、吉田 徹、ひのたかふみ、萩尾圭太、輿石 暁、森前和也

黒井津さんらしさがあって良かったなと思えた話数です。

「たとえ資本があろうとも、最後は人だ」というセリフや、案件を解決するために電話営業をかけまくるシーンなどなど色んな意味で黒井津さんという作品を体現した描写が重ねてられていました。そういった“らしさ”が強く感じられていて、1話完結で進んでいく本作を締めくくるのに良かったな〜と思いました。

本作はAnimazing!!枠らしい気楽に楽しめる1週間の憩いの場的なアニメで良かったです。黒井津さんはじめ女キャラがみんな可愛くてえっちなのが最高でした。

 

不徳のギルド 第7話『ムリゲー/ミントアイス』

脚本:筆安一幸 絵コンテ・演出:榊原大河 作画監督ごとうじゅんじ榊原大河、北島勇樹、神田 岳、岩崎令奈、清水勝祐、渡辺はるか

不徳のギルドもどの話数もよく選び難いのですが、強いて選ぶとなるとストーリーの異色さ、画面の突出度が高い7話になるかなと思います。

シリーズの中だと異色なモンスターとのガチ戦闘回。本作だと比較的シリアスへの比重が高い回でしたが、本作らしいテンポ感やコメディさを疎かにせず展開していたのがよかったです。きっくんのエースとしての格の違いを見事に表現した画面は見応えがとてもありましたし、普段よりすこし湿っぽさがあるトキシッコとの絡みはヤバかったですね!

ぼくはトキシッコが好きです。

本作について、最終回での「あれ全部理由があったんだ」という台詞がまさに本作を象徴していました。エロコメディに分類される作品ではあるのですが、ストーリー上で展開されるエロ展開にすべて理由付けがしっかり施されており、キャラ造形や各種設定などどれも作り込まれているため、話が進むにつれて「あれちゃんと理由あったんだ?!」となることが多かったです。映像面でもかなり好印象なアニメでした。テンポよく会話を交わすキャラクター同士のやりとりはとても心地良いですし、思わず笑ってしまうこともしばしばありました。特にきっくんのツッコミが気持ちよかったです。また、画面の色使いが全体的にいいな~ともなりましたし、アクションシーンのみならず日常シーンも画面的な見応えが強いアニメでした。。

あと大前提として登場人物みんなキャラがいいしかわいいしえっちなのがよかったですね!!

今年1番面白かったといっても過言ではないアニメでしたし、毎週の楽しみでした。2期が待ち遠しいです。

 

かぐや様は告らせたい-ウルトラロマンティック- 第05話『「藤原千花は刻みたい」「早坂愛は話したい」「四条眞妃は頼りたい」』

脚本:中西やすひろ 絵コンテ:渡部穏寛 ラップパート絵コンテ:畠山守 演出:菊池貴行 総作画監督:針場裕子、田中紀衣 作画監督:斉藤準一、世良コータ 、横山穂乃花 プロップ作画監督:菊池貴行

初見時のインパクトが強く、すごいものみたな…と思ったエピソード。

最初のラップパートが終わり、いつものかぐや様的なパートが結果として骨休めのようなかたちになってからのあのEDが流れたときの衝撃はすごかったなと。

 

その着せ替え人形は恋をする 第11話『俺は今、ラブホテルにいます』

脚本:冨田頼子 絵コンテ:山本ゆうすけ 演出:山本ゆうすけ 作画監督山崎淳、冨田真理、氷室陽、Park Se Young、けろりら

えっっっっっっっっっっっっっち!!!!!!!!!!!!!!!!!

思春期男子高校生を誘惑するサキュバスとギャルを陥落♂させるスパダリ。2人の悪魔がラブホという背徳空間内で今にも一線越えてもおかしくない一触即発な空気感ヤバかったですね!!!

本作はCLW梅原P班作品らしく全体的なクオリティの高さは勿論のこと、随所に見える遊び心、そしてえっちさが光っている作品でした。2人の恋愛模様の擬かしさに思わずニヤニヤしてしまいますし、要所要所のえっちな画にバキバキしちゃいますね。

 

ぼっち・ざ・ろっく 第3話『馳せサンズ』

脚本:吉田恵里香 絵コンテ・演出:山本ゆうすけ 作画監督:中村颯

わちゃわちゃ感がかなり好きな回。

かつての動画工房を彷彿させるようなコメディ演出に否応なしに心踊らされます。また、フォロワーも指摘していたのですが、森脇監督フォロワー的な要素も感じられます。(ちなみに山本ゆうすけ副監督はTwitterにプリパラのイラストをよく投稿されています。)さらには、実写素材もふんだんに活用されていて目を惹かれます。

同氏が担当された11話も大好きです。正直ぼざろはどの話数もめちゃくちゃ良いのでかなり迷いましたが、中でもわちゃわちゃ感が特に好きな3話にしました。

本作もCLW梅原P班作品。画面から制作チームの士気の高さが沸き出ているようにとても熱量が高く、全編クオリティが段違いで高いアニメだったと思います。振り返ってみると、アニメぼざろはキャラクターがバンド活動で青春を謳歌している姿を眩しく感じるのと同時に、アニメの作り手の方々が青春さながらアニメ制作をしている姿も眩しく感じました。

ワンエグからはじまった梅原P班が今後どんなタイトルを手掛けていくのか楽しみです!!

 

邪神ちゃんドロップキックX 第2話『錠剤は全てラムネです』

脚本:村上桃子 絵コンテ:永居慎平 演出:大久保亮 作画監督:Kim suho、杉山直輝 料理作画監督:益田賢治

ぴのが好きなので。。。

顔と身体がいい女キャラクターがわちゃわちゃしている姿を画面越しに観ること以上に楽しいことってそうそうないと思います。

邪神ちゃんについて1期2期もちょいちょい観てはいたんですけれども、今回の3期(特に序盤の神保町舞台のとき)でめっちゃ面白くないか?と感じて一気に1期2期観なおしたらどっぷりハマってしまいました。1期2期にハマりきれなかった理由として、なんとなくアニメ邪神ちゃんを主導している人たちに対して胡散臭さとは違うのですが、どうしても忌避感を覚えてしまうクサさを感じていたのが挙げられるのかなと。そこから3期でハマれたのは、クサさが突き抜けて一周回って好感触になったのと、21年に放送した同主導の『恋きも』が面白かったのが要因なのかなと自分的には思っています。

4期絶対観たいですね。

 

ちみも 第10話『『ダイエット地獄』『はじめてのおつかい地獄』』

『ダイエット地獄』

脚本:ぴのあると 絵コンテ:釘宮洋 演出:ぴのあると 作画監督:堤舞

『はじめてのおつかい地獄』

脚本:ぴのあると 絵コンテ:藤原良二 演出:ぴのあると 作画監督:堤舞

ちみももかわいいけど地獄さんも負けないくらいかわいいよねって再認識できるエピソードです。

特に後半エピソードの『はじめてのおつかい地獄』が地獄さんの萌えキャラっぷりが余すことなく描写されていて大好きです。まず冒頭シーンが地獄さんと三姉妹との間に出来ている疑似家族的な関係をうかがえて微笑ましい。「アイス食べたいけど出かけるのめんどくさいなー。」「「「地獄さんいってきて!!!」」」「なんでじゃっ?!」このやりとりが凄くいい。その後の三姉妹が会話を少ししてまた笑顔で「「「地獄さん!」」」「「「地獄さーん!!!」」」と呼びかけるこのシーンが更にいい!!。結果的にちみも達がおつかいに行くわけですが、ちみもが心配で後をつけてしまう地獄さん。持前の気質によりさまざまなトラブルに見舞われる地獄さん。とにかく地獄さんが萌えキャラ過ぎます!

本作は地獄を題材に藤子作品やこち亀のようなフォーマットで展開するアニメになります。ややブラックさを感じる日常ドタバタストーリーは毎週新鮮に楽しめるものでした。また先に挙げたような疑似家族物の要素を含んでおり微笑ましさを感じるものです。

ずっと毎週観ていたいと、そう切に思うTVアニメでした。